中国新聞
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◎DATA


ユリ目アヤメ科アヤメ属
【環境省】絶滅危惧Ⅱ類 【広島県】絶滅危惧Ⅱ類
4月、直径3センチ程度の紫色の花を咲かせる。
原産地は中国・朝鮮半島。日本では中四国・九州に自生するが、里山の荒廃に伴って自生地が縮小。さらに盗掘にも脅かされている。
三原市沼田(ぬた)西町の自生地が天然記念物に指定されている。

色・形は似てるけど…

エヒメアヤメはアヤメ科アヤメ属(アイリス属)に属します。
アヤメ属の花といえば、代表格はアヤメ、カキツバタ、ハナショウブ。いずれも、昔から日本人に親しまれてきました。そして3つともよく似ています。すらりとした茎の上でしなだれる花びら。しっとり落ち着いた紫の色が印象的。そんな特徴はエヒメアヤメにも共通しています。ただ一点を除いては。
それは「身長」。アヤメ・カキツバタ・ハナショウブが、1mを超えるのも珍しくないのに対して、エヒメアヤメは高くてもせいぜい20cm。このため、ほかの草花に囲まれると日光が当たらなくなり、生育が悪くなります。種の存続に関わるほどの泣きどころなのです。

広島との深い縁

エヒメアヤメは名前の通り、愛媛ゆかりの花ですが、実は広島とも固い絆で結ばれています。
鎌倉時代、歌人・藤原定家のひ孫、藤原為兼が安芸の国に流されました。春、今の広島市安芸区船越を訪れた為兼は、小さな美しい花に胸を打たれ「誰のために咲いているのか」と漏らしたそうです。
船越の人々はこの故事を大切に語り継ぎ、花を「誰故草」(たれゆえそう)と呼び、広島市と合併する前には、船越町の町花として慈しみました。船越公民館には、誰故草を描いた大きな陶板画が今も飾られています。(画像右)

江戸時代に編さんされた広島藩の郷土誌「芸藩通志」(復刻版)に収録された「誰故草の記」(一部抜粋)(画像左)

赤線枠内の解釈「こんな花が、人けの無い山奥で、一体誰のために咲いているのだろうか。なんとも美しい薄紫の花だなあ」

「愛媛」命名 皮肉な勘違い

それではなぜ、「誰故草」ではなく、「エヒメアヤメ」と呼ばれるのでしょう? カギを握るのは「植物学の父」故・牧野富太郎博士です。
1899(明治32)年、牧野博士は愛媛で採取された花の標本を見て、新種の花だと勘違い。エヒメアヤメと名付けて発表しました。
その後、新種ではなく、「誰故草」と呼ばれる花だと判明。牧野博士は訂正しましたが、時すでに遅し。エヒメアヤメの名前が定着しており、そのまま今に至ります。なんという皮肉。
植物学の大家の勘違いのため、風流な名前は全国では通用しなくなり、「広島ゆかりの花」の印象も薄らいでしまいました。

三原の保護活動、すでに半世紀

残念ながら、船越のエヒメアヤメはその後絶滅してしまいました。それでも伝統を絶やすまいと「船越誰故草保存会」は、メンバー各自が自宅の鉢で栽培。毎年春、公民館に鉢を持ち寄って展示会を開き、見事な花で来館者を喜ばせています。
広島県内の自生地で最も有名なのは三原市。「沼田西町エヒメアヤメ保存会」は毎年200人がかりで3500平方メートルほどの自生地の雑草を刈り、丈の低いエヒメアヤメでも日が当たる環境を作っています。
今年は保存会結成50周年。その記念に4月、全国エヒメアヤメサミットを開催、各地の自生地から「同志」が結集し、花を守る決意を新たにしました。

レッドデータブックとは

絶滅のおそれのある野生生物の生息状況などがまとめられたものです。環境省や各自治体、学術団体が発行しています。

広島県では「レッドデータブックひろしま2011」が、2012年に発行され、絶滅のおそれのある1,000種の動植物が紹介されています。

県民いきもの調査

広島県では「外来生物」や「絶滅危惧種」などのいきもの調査を行っています。

県ホームページに情報をお寄せください。


◎監修:吉野由紀夫さん
◎協力:広島市植物公園 ◎参考文献:レッドデータブックひろしま2011

エヒメアヤメ開花の様子(70倍速)

(撮影:船越誰故草保存会・田中義信さん)

ケーブルテレビ番組

第1回「氷河期の証人」エヒメアヤメの幸運

  • ●ふれあいチャンネル
  • ●ひろしまケーブルテレビ
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