中国新聞
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◎DATA


テングシデブナ目 カバノキ科
【環境省】絶滅危惧Ⅱ類 【広島県】絶滅危惧Ⅱ類
イヌシデの変種。枝が屈曲し特異な景観を呈する。北広島町(広島県山県郡)にのみ生育する。落葉樹で高さ15m程度になる。

民話で伝わる その名の由来

この木に登れば天狗に投げられる…。
地元の人々の間では、この木の幹が曲がりくねっているのは天狗の仕業だと言い伝えられてきました。また、永年語り継がれて来た民話「炭焼きと天狗の話」※などから、「天狗が来てとまる」とされ、「天狗シデ」と呼ばれるようになりました。テングシデは、その特徴的な姿から、地域の人々に昔から守られ続けている大切な存在なのです。

世界でここにしかない 曲がりくねった記念物

テングシデはイヌシデの変種で、世界中で広島県山県郡北広島町にしか見られない珍しい木。「大朝のテングシデ群落」は昭和12(1937)年に広島県の天然記念物に、平成12(2000)年には国の天然記念物に指定されています。
自生地は西中国山地・熊城山の東斜面の標高約650m付近。昭和17(1942)年に堀川教授(広島文理科大学・当時)が「イヌシデの枝が曲がりくねった1新変種」としてテングシデに学名をつけたことで植物学的に新種として認められました。当時は大小約40本が確認され、最大の樹高は約12m。平成8(1996)年の調査では指定地内に108本が記録されています。

確認できた最長老は 明治生まれの120歳

テングシデは、新芽が開く4月中ごろに花を咲かせます。10月ごろに種子ができ、林の中で実生(種子から小さい個体が芽生える)します。平成3(1991)年の台風で倒れた大木からサンプルを採取し測定したところ、最大直径74cm・年輪数115。最初の年輪は1877年に形成されていました。樹齢はおよそ120年で明治5(1872)年ごろに発芽したものと思われます。

「ねじれる」「しだれる」 を次世代に繋ぐ力

ヤナギ類やシダレザクラのような「しだれる」形の樹木はよく知られていますが、テングシデのように幹までも曲がりくねった例はあまり知られていません。
イヌシデとの交雑の結果、本来自然状態では淘汰されやすい、「ねじれる」「しだれる」といった形質の遺伝子が生き残り、世代交代を可能にし、今日の状態になったものと考えられます。
曲がり方には、2つのタイプがあるようです。1つは枝が地面まで垂れ、全体がお椀状になるもの。もう1つは、幹や枝が屈曲しながら上方に広がっていくものです。

テングシデに迫る 存亡の危機とは?

このような特異な遺伝形質を持った樹木の群落が残されたことは、学術的にも貴重な存在ですが、現在その数の減少が危惧されています。その原因には、若い個体が食害を受け、次世代の生育に影響をもたらす恐れがある鹿や、土を掘り返し実生を倒す恐れがある猪などの野生動物が挙げられます。また、観光や写真撮影に訪れた人々の、踏みつけによる地表面の変化も要因の一つです。

テングシデ群落を 次世代に繋ぐ保護活動

平成11(1999)年に地元自治会に「シデの木を守る」会を立ち上げました。毎年4月上旬から8月のお盆ごろまでの間には、ボランティアや自治会会員で3・4回の草刈りを行い、歩道や側溝の管理も行っています。また、要望に応じてボランティアガイドを務めたり、北広島町の助成を受けてテングシデのパンフレットを作成するなど、保護活動を継続しています。
昨年は、地域の大朝中学校と連携して、駐車場からテングシデ群落に続く遊歩道の清掃を行いました。草刈り作業中に幼木を刈りとってしまわないよう、指定地の外に自生している幼木に印をつけ、次世代のテングシデの成長を見守るなど、群落を保護する活動を行っています。

炭焼きと天狗の話

反田尊省(1984)
「あぜみち放談第一集」より

昔むかし一人の正直な炭焼きがいた。ある日、炭小屋で弁当を開き箸を付けようとすると、途端に大きな手のひらがニュッと目の前に現れた。炭焼きはビックリ仰天して、弁当をその大きな手のひらに乗せてその場に気を失った。しばらくして気がついてみると、大きな手も弁当も影も形もない。炭焼きは恐ろしくなり一目散に我が家に飛んで帰った。翌日恐る恐る炭小屋に行ってみると、不思議なことに炭は窯から出してあり、炭材もちゃんと積んであった。炭焼きは「さては、この辺りに住む天狗が昨日の弁当のお礼にしてくれたことか」と有り難く思った。この辺りのシデの木は、みんな曲がりくねっている。天狗がこの木の上で寝るからだという。いつ頃からか天狗シデ、天狗シデと呼ぶようになった。また、シデの木を窯に入れて焼くとみんな灰になると言う。それからかどうか判らないが、この辺りの山を灰山という。

レッドデータブックとは

絶滅のおそれのある野生生物の生息状況などがまとめられたものです。環境省や各自治体、学術団体が発行しています。

広島県では「レッドデータブックひろしま2011」が、2012年に発行され、絶滅のおそれのある1,000種の動植物が紹介されています。

県民いきもの調査

広島県では「外来生物」や「絶滅危惧種」などのいきもの調査を行っています。

県ホームページに情報をお寄せください。


北広島町大朝のテングシデ群落

ケーブルテレビ番組

地球上で唯一の存在 大朝で愛される神秘の木 テングシデ

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